通路ぎわにフラワーボックスをおき、住人が手入れし、自分が楽しむだけでなく、道ゆく人の目をも楽しませていました。市街地のコンドミニアム(集合住宅)の出窓にも、フラワーボックスが飾られていて、「やさしさ」を感じたものです。東京でも、街を歩いていて、思わずほほえんでしまうすてきなお宅があります。出窓に飾られている人形たちが、みんな外に向かって並べられているのです。そういえば、この窓はクリスマスが近づいたころ、クリスマスツリーの豆電球が点滅して、みとれたこともあります。その隣の家は低い垣根につづき、お向かいはフェンスに鉢植えの花が、やはり道を歩く人に向かって咲いています。この路地一帯が、やさしさにあふれているのです。ところが、一本ちがう道を歩くと、密集地で敷地が狭いことから、建ぺい率いっぱい家を建ててしまったために、道路ぎりぎりまで建物がせまっている家があります。その隣は、高いブロック塀で覆ってしまっています。向かいの家は、出窓を物置きがわりに使っていて、新聞や雑誌が雑然と積み重なり、見ぐるしいことこのうえなしです。こんな家にかぎって、ゴミや空き缶を家の外に平気でおきっぱなしにしています。ひとつの道できれいなところは、どこまでもきれいで、ちょっとでも汚いと、ずっと汚いという傾向があるようです。隣近所が影響しあうからでしょう。
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